倒壊建物救助疑似体験教養(CSR:VR+)

CSR(倒壊建物救助)は、若手職員から中堅職員まで実災害で経験している職員が少ない実情があり、現場の想像が困難であると考えた。訓練を行う前にCSRを理解しやすくするため、及びCSRに強い興味を持ってもらうためにインパクトビデオを作成することとした。インパクトビデオを作成する中でVR(ヴァーチャルリアリティー)の活用がより効果があると考え、CSR疑似体験VRを作成することとした。

「CSR:VR+」

VR+の「+」は、VR(VR視聴機を使用した全方向動画)に加え、周囲の壁を簡単なパネルで準備することで実際に手を伸ばすと壁を触ることができ、よりリアルな体験ができるものです。設定は非常に簡単で床に座位で座り、VR視聴機を着装後、体験者の周囲にパネルを設置するのみです。VR動画内の狭隘空間と同じ寸法のパネルを設置することでより没入感の高い体験が可能となります。( 「VR+」は本研究会が作成した造語です。 )

ストーリーは、木造2階建てのアパートが倒壊し、1階の居住者は足が柱に挟まれ、脱出不能になるという状況です。この1階の居住者を体験者は疑似体験します。暗闇の中、助けを待っていると消防隊が助けに来ます。しかし、目前に2階の居住者が転落した状態で横たわっており、消防隊は重症の2階居住者を先に救出するという判断をします。1階の居住者は目前で行われる救助活動の一部始終を見ることとなるとうい内容です。

メリット

・要救助者の気持ちをよりリアルに体験できる。

・目前で行われる救出活動を見ることでCSRで必要な技術を理解することができる。

・CSRの知識技術が震災時に必要不可欠であることについて危機感を持って感じることができる。

ストーリーの中で要救助者が尿意の我慢ができず、小失禁してしまうシーンがあります。この時、希望者には500mlの水を股間部にかけ、失禁の疑似体験も可能です。この失禁疑似体験という「VR+」は鮮烈に記憶に残るとともに、その後の教養も付随して記憶に残ることとなり、知識定着の方法としては効果が高いと考えます。